この命題の答えを探すことは容易ではない。
12月3日の「生活歳時記・今日の言葉」にダーゥインの論評があった。
ダーゥインは1809年〜1882年の人で、イギリスの植物学者である。
ご存じの「種の起源」の著作者で、道徳感情についての考察を述べて
いる。
この辺りまで遡り考察を重ねないと解決しそうにない。
ダーゥインの論説の要旨は次の通り。
「人間の由来」より
道徳的資質の発達は、さらにいっそう興味ある問題である。
その資質の基礎は、家族のきずなを含んだ社会的本能の中にある。
これら社会本能は高度に複雑なもので、人間より下等な動物の場合
には、ある一定の行動への特別な傾向をあらわす。
重要な要素は、愛および同情という独自の感情である。
社会的本能を具えている動物は、互いに仲間になることを喜び、互いに
危険を知らせ合い、色々な手段で互いに守り合い、助け合う。
これらの本能は、その種の全個体に及ぼされるものではなく、同じ共同
体に属する個体にだけ向けられる。
それらは種にとって非常に役立つものであるから、自然選択によって獲
得されたものであることはほとんどまちがいない。
道義的存在とは、自分の過去の行為や、その動機のついて反省するも
ののことで、人間はまさにその名で呼ばれてよい存在である。
道徳的感情というものは、
まず第一には、社会的本能は長く持続されつねに存在する物である本能
の本性に従い生じたものである。
第二には、人間は仲間の称讃や非難を認知するものであることにより、
道徳的感情を生じさせる。
第三には、人間の心理能力は過去の印象を極めて生き生きと保持する
ように、非常に活発であることから道徳的感情も生じる。
これらの三つの点で、人間は、他の動物と異なる存在であるといえる。
<基本に立ち戻り、家族という共同体の再建が焦眉の急であろう>I.M.


